神様のスープ

kandagawabbc2008-10-18

シェフ特製

 今日は、会社でミネストローネをつくりました。大量の。
 写真がコチラ。
 非常に美味しく出来ました。50杯分以上はあると思います。
 大鍋でカレーをつくる私でも、ひとつの料理をこれだけの量つくるのは初めて。「給食のおばさんは大変だなぁ」と思いました。
 余談ですが、変換したら「九色のおばさん」になりました。それは怖い。赤おばさん!青おばさん!黄おばさん!
 で、余談はおいておいて、どうして私がこんなに大量のミネストローネをつくることになったのかといいますと…

祭り

 明日、蟹江町でとある祭りがありまして、取引先の結婚式場が主催で、その敷地内で開催されるのですが、我が社も模擬店のようなものを出店させてもらうことになったようです。
 実は去年も出店したのですが、担当のノッポくんと他数名が出陣しただけなので、私はノータッチ。しかし、今年はもう少し本格的にやりたいということで、メンバーを増員。もちろん、蟹江なんて遠いので、私は不参加の予定だったんです。
 提供メニューの打ち合わせをしている時も、私は他の仕事をしていて不参加。後から「イベリコ豚の塩焼きそばと、イベリコ豚の串焼きに決まったみたいです」と話だけ聞いて、ふぅんと思っておりました。
 ま、当日は不参加ですけど、前日の仕込くらいはちゃんと手伝いますから、くらいに思っていたわけですが、先週のチーフの誕生日祝いの飲み会で事態は急変。
 私がつくった豚だんご入りキムチ鍋*1に感銘をうけたみんなが「スープで行こう」と乗り気になってしまったんです。
 ということで、塩焼きそばからイベリコ豚だんご入りのスープにシフトチェンジしてしまい、私が本格的に参戦せざるを得なくなりました。よし、だったら、ちゃんとつくってやりますか。当日は休みますけども。

練り直し

 イベリコ豚の肉だんごを入れたスープってことは決まったのですが、どんな味のスープにすればいいのかがまだ決まってません。やっぱキムチ鍋が美味しかったので、その方向でいきますか。キムチ入れなくても、中華っぽい感じで。
 ところが、打ち合わせ中にノッポくんが「ポルチーニも入れたい」と言い始めたので、またも急ブレーキ。あんな高級イタリア食材を中華に入れるのはちょっともったいない。というか合わない。
 本当にポルチーニも入れるんだったら、コンソメベースのスープにするか、そこに牛乳入れてクリームスープっぽくするか、トマト入れてイタイアンチックにするかのアレンジくらいでしょう。という私の提案にノッポくんは賛同し、コンソメベースのトマト入りにすることに決定。じゃ、ミネストローネってことですね。了解。


 で、この変更はチーフがオーストラリアに行っている間に決定したので、戻ってきてから彼にも報告。
神「ミネストローネになりましたけど、よかったですか?」
チ「ああ、ノッポから聞いた。玉子ベースにするんだっけ」
 玉子? 中華かよ(笑)。
 ってか、玉子“ベース”って何だよ。茶碗蒸しかよ(笑)。
神「トマトです」
チ「ああ、トマト、トマト(笑)
 帰国してから漢字だけじゃなくカタカナにも弱くなっているようです。

意見

 スープの内容は決まりましたが、その後もみんなからいろんな意見が。
イベリコの味を生かすには、トマトベースじゃなくてもっとシンプルなほうがいいんじゃないか?
 いや、トマトっていっても、ミネストローネはそんなにトマトを推しだすつもりないですから、大丈夫ですもん。
野菜の食感を出したいから、あんまり煮込まずに、当日、現地で入れたい
 いや、野菜は最初に炒めなきゃいけないですから、それは無理ですもん。
 というか、私に託したんなら、つべこべ言わずに任せてくれ!(笑)
 うまいもんつくれば、それでいいんだろう!! 任せろ。

ポップ

 で、昨日、商品のポップをつくらなきゃいけないってことで、帰ってからパソコンで私が作成。「前日に会社でつくればいいですよ」なんてノッポくん言ってましたけど、家じゃなきゃパソコンで描けないので。
 大まかなイメージだけ構想して、作業に着手。とりあえずイベリコ豚の串焼きから。これは豚を全面に押し出さなきゃってことで、出来あがったのがコチラのイラスト。

 豚のシルエットに文字をおさめ、下から火で炙っているような特殊効果を。火を描くのは途中で思い付いたのですが、加減に気をつけました。あんまり火を強調しすぎると、動物虐待みたいに思われたら困るなぁって(笑)。そんな要らぬ心配から、どうやったら目立つだろうとかまで、いろいろ考えて神田川さん描いてますから。


 で、お次はミネストローネ。スープってことで、大きなお鍋をイメージ。ノッポくんが「神田川シェフの特製スープ(仮)」なんて名付けていたので、豚のシェフもプラス。はい、できあがり。

 「シェフ特製」って自分ですすんで描いてるわけじゃないですからね(笑)。
 「あつあつ」って書くのにすごく迷いました。明日、暑かったら、すごく逆効果だしなぁって。あと、「あっあっ」って見えたら、ちょっと意味深だよなぁって(笑)。そんなこといろいろ考えて、神田川さん描いてますから。


 2時間もかかってしまいました。こんな大作2枚も続けて描いたので、肩がパンパンです。つらい。でも、思ってた以上に素敵な仕上がりになったので満足です。


 で、今朝。
神「商品のポップだけ、適当に描いてきたけど」
ノ「あっ、ありがとうございます」
 とは言ってみたのですが、全然嘘です。適当じゃなくて、全力ですもん(笑)。


 チーフも喜んでいたので、「2時間もかかったんですから」と言うと、「というか、2時間でこれが出来るのがすげぇ」と逆に言われてしまいました。そうなんだ。プロならもっとパパっと描くんでしょうけどね。アマチュアですから。
 というか、料理もまだ出来てないうちからこんなにはりきってポップつくって、スープ失敗したらどうすんだよって話(笑)。

買い出し

 で、今日。ノッポくんが配達の帰りに材料の買い出しをしてきてくれることに。わからないものがないように、細かく指定したメモを渡しておきました。
 夕方、ノッポくんから会社に電話。
「チョウチョの形のパスタがなくて」
 なに?ファルファッレがない? あれがいいのに。
マカロニじゃダメですか?
 マカロニはちょっとイメージに合わないから嫌です。
「あ、セロリもないんですよねぇ」
 あのさ、その店、変えてくれる?(笑) まだこんな時間なのにセロリ売ってない店には何も期待できないですから。


 ところが、ジェニロペが心配なことを言い始めました。
「ノッポくん、セロリわかるかなぁ…」
 あっ、私もちょっと不安になってきた。料理しない人って、セロリわかんない気がしないでもない。どうしよう、パセリ3株とか買って来ちゃったら(笑)。
 などと心配していたのですが、ちゃんとセロリ買って帰ってきました。
「書いてあるから、そのくらいわかります」
 あ、そっか。「セロリ」ってシール貼ってありますもんね。よかった。

調理

 というわけで、やっとのことで調理開始。
 野菜を角切りにしたり、私が調合した肉だんごをこねてボールにしたりする作業はみんなに分担してやってもらったので、私はスープ本体に集中。料理長になった気分です(笑)。


 オリーブオイルでにんにくを炒め、玉ねぎを炒め、キャベツ・にんじん・セロリ・ベーコン・カットトマトを入れて炒め、ポルチーニと白ワインと水を入れ、コンソメ・塩コショー・トマトソース・ローリエで味付け。
 灰汁をとりながら煮込み、イベリコミートボールを投入し、さらにショートパスタを入れ、最終的な味付け。肉だんごからもダシが出ますからね。


 冒頭にも書きましたけど、こんなに大量のスープなんてはじめて。でも、ものすごく美味しくできました。あっさりしてるのに、旨みがいっぱいでコクがある。イタリアの家庭料理とは思えないくらいの仕上がりです。
 なんだかね、つくってて、全然失敗する気がしませんでした。「これはすごく美味しくなるぞ」ってつくりはじめから思ってました。まるで神が降りて来てるかのような感覚(笑)。


 この神様のミネストローネ、みんな、明日しっかり売ってきてくださいね。託しましたからね。
 私は充分責任を果たしましたから、明日はゆっくり休ませていただきます。
 というか、去年は冷凍のクロワッサン焼いて、骨付きの生ハム切って提供したみたいですけど、今年の料理といいポップといい、私が参戦したことでどれだけレベル違うんだよ!という自画自賛コメントで終わりたいと思います。