乳と乳と茄子と外科医①

ミルク缶

110円の乳

 以前から気になっていたサントリーの牛乳を買いました。自販機の缶の牛乳って珍しいですよね。ま、正確に言えば乳飲料なのですが。飲んではみましたが、やはり買うものではないですね。人工的な味がしました。飲みきれずに流してしまいました(笑)。もったいないおばけに注意して今夜は寝たいと思います。

クチュクチュゴックン

 一方、コンビニでミントショコラオレなるものも購入。自分の口には合わないと確実にわかってはいたものの、新商品の放つ輝きに負けてレジへ。これも凄まじい味でした。歯磨き粉を飲んでるみたいほとんど流してしまいました(笑)。もったいないおばけに注意して今夜は寝たいと思います。
 だいたい、ミント味ってのが私はどうも納得いかなくて、チョコミントのアイスとかも「あれはどうなの?」と思ってしまいます。ミントはガムと歯磨きで結構。でも、かの偉大な三谷氏がチョコミントアイス推進派なので、微妙な気分(笑)。

茄子天様

 さて、今日の夕食は、某県の厚生年金会館で食べ放題のバイキングでした。すっかり忘れていたのですが(笑)。味のレベルはわかっているので全く期待せずに出かけたのですが、期待通りの味でした。ただ、カレーがなかったのでご立腹。カレーも唐揚げもないバイキングってどうなの?ろくなものはないだろうからカレーでお腹を満たそうと思っていた私はどうすればよいのでしょう。
ま、ナスの天ぷらがあったので、±0でいいのですが。野菜の天ぷらが運ばれてきたとたん、ナスだけ根こそぎ盛って立ち去りました

還って来た男

 では、予告通り「外科医・難波」の連載でも開始しましょうか。連載といっても特に書き下ろしではないですが、改訂版はまだあまり世に出回ってないので。
初稿がすいぶん昔なので、今じゃ使っちゃいけない用語(看護婦とか)も出てきますが、再筆にあたって、とりあえずそのままにしました。固有名詞もバンバン出てきますが、まあこれは小説なので、フィクションってことで流して下さい。それでは、ちょこちょこと小出しになるとは思いますが、おもしろ解説付きで存分ご堪能下さい。

「外科医・難波」


第一話  はじまりの夜


<1-①>
 とある病院のロビー。日は暮れかかり、窓から淡いオレンジ色の夕日がキラキラと射し込んでいる。その光の道を辿るように、男が二人歩いている。
「それにしても部長、この病院は素晴らしいですね」
「そうだろう、そうだろう、ピカピカだろう。やはり病院というものはこうでなくてはな」
「私、こんな素晴らしい病院で働くことが出来て光栄です。お招きいただいて感謝しています。改めて御礼を言わせていただきたい。ありがとうございました」
「いやいや、私は君の腕をかって引き抜いたんだ。私にその腕が欲しいと思わせた難波君、君の力だよ」
「そんな、とんでもありません」
「お、本当か?」
「いや、そうでも・・・」
「何なんだ、君。いったいどっちだね。私も、それほど腕に自信のないドクターをよそから引き抜いたなんて、皆に噂されたくないものでね」
「ご安心を。自信はあります」
「では、さっきの否定はなんだね」
「それは、一応、謙遜と申しますか・・・」
「ケンソン? 何だね、それは。うまいのか」
「いや、そういうことでは・・・」
「けんちん汁みたいなものか」
「・・・・・・・・・・・・」


 訳のわからない会話が続いているが、ここで人物紹介。
 男に『部長』と呼ばれていた中年男性。彼は、この洗い熊*1総合病院の外科部長を任されている脇谷。腕は確かで皆の信頼は厚いが、時々意味のわからない発言をし、外科の皆を困らせている。
 そして、もう一人はこの物語の主人公、難波やすし*2。今日付けでこの病院に赴任してきたばかりだ。先月まで、ある田舎町の「木曽川*3十文字病院」で腕を揮っていたのだが、脇谷がたまたま休暇中にたまたま怪我をし、たまたま担ぎ込まれた病院でたまたま治療にあたったのが彼で、その腕に惚れた脇谷がしつこくラブコールをおくって、やっとのことで転勤を決意し、今日に至るわけだ。


「とまあ、こんなとこですかな。うちの病院、気に入ってもらえました?」
「ええ、もちろん」
「なら、結構。ま、いくら凄腕の君だからといっても新しい職場では慣れないことばかりだと思うから、わからないことはそれぞれ声掛け合って、ひとつ*4お願いしますよ」
 そう言って、手を差し伸べる脇谷。
「よろしくお願いします」
 当然、誓いの握手を求められたと思った難波は、そう言って自分も手を差し出した。が、脇谷の出した右手は難波の手をするりと抜け、彼の白衣に伸びた。
「ボタン、掛け違えてるぞ」
 脇谷は難波の白衣のボタンを外し、そしてまたかけ直した。
「男の身だしなみは、まず身だしなみからって言うからな。気をつけるように。では」
 何を言っているのか意味がわからなくても、とりあえず納得させてしまうのが脇谷の凄いところだった。その証拠に、難波もその場は強くうなずいたが、廊下を歩き去る脇谷の後ろ姿を見ているうちに、意味不明な言葉を言われていたことに気が付いた。唯一、難波が理解できたのは、自分がボタンを掛け違えていたという事実と、右手だけでボタンをはめた脇谷の手の器用さだけであった。


(つづく)

*1:難波がアライグマに似ていることから命名

*2:もともと、難波が白いレインコートのような服を羽織っていた時があり、それが外科医の白衣に見えたことから、この物語が始動。

*3:難波が所属していた高校から。

*4:脇谷の口癖。ゆうあいピック練習時に幾度となく多用。