松本への序章
明日は、いよいよ待ちに待った長野・松本への旅です。
会社の慰安旅行で行かねばならぬのですよ。
あ、私は全くもって待ちに待っておりませんよ。私以外の社員の方々がってことです。
旅先が長野だとチーフから聞いたのは、もうずいぶん前になります。
「決まったぞ」
「どこですか?」
「長野県の松本」
ああ、そうですか、ってな心境です。何の楽しみもありません。
「何か面白いものあるんですか?そんなとこ」
「何を言ってんだ。松本城だろ〜、ワイン工房だろ〜、あと信州そば」
「ああ、そば…」
嬉しそうに話すチーフに言ってあげましたよ。
「どれも興味ありませんよ」
「何てこと言うんだ!(笑)」
笑ってそう言うチーフでしたが、とても哀しそうな瞳をしていました(笑)。ちょっと毒が過ぎましたか。でも真実ですから仕方がない。
ダメ押しにもうひとこと付け加えておきました。
「サリンに気をつけないといけませんね♪」
そういえば、それより以前、私にこんなことを聞いてきたことがありました。
「神田川、飛行機は絶対にダメなんだよな?」
「はい、嫌ですよ」
「そうだよな」
「ええ、やめてくださいよ、飛行機は」
長野に行くくらいなら、私だって飛行機乗って北海道くらい行きますよ(笑)。