愛と死とウーパーを見つめて

14.丸毛

また発見

 久々に真中瞳をテレビで見て、思いました。しばらく見ないうちに、木村カエラにそっくりになりましたね。いや、以前から似ているなとは思っていましたが、瓜二つになっていました。ま、真中さんが先なんですから、カエラさんに近付いたという表現はちょっとおかしいのですがね。でも、双方が歩み寄ったという感じに見えます。

懐古

 眠らせておくのも何だかもったいないので、昔のエッセイや「神田川倶楽部」の日記からも、いろいろなネタを展開していきましょうかね。ここが初めての方は、初見になるわけですし。
 というわけで、今日はウーパー特集です!
先月で退社してしまったウーパーですが、彼がどうしてウーパーと呼ばれるようになったのか、その魅力に迫ります。

ウーパー物語

 はじまりは、彼がウーパールーパーを飼いはじめたことでした。何が彼の心を駆り立てたのかは知りませんが、一般の独り暮らしの青年男子が飼うような生物ではないです。以前から「飼いたい、飼いたい」とは言っていましたが、まさか本当に手にするとは。
 さあ、夢にまで見た待望の共同生活は始まったばかりなのですが、そう簡単には問屋が卸しません。エサを全然食べてくれず、おまけにシッポが腐ってきてしまったそうです(笑)。まだ名前もつけていないというので、「早く名前をつけないと、その前に死ぬぞ」と忠告。


 翌朝、ウーパールーパー(ペット)の様子をウーパー(社員)に聞くと、さらに容体が悪化しているらしく、腐りは下半身まで進行し、顔にはブツブツが出来はじめたといいます。ろくな飼い方も知らないうちに、興味本位で手を出すのが間違っているんですよ。
 あまりに困っているので、私が会社のパソコンでネット検索し、ウーパールーパーの買い方・病気など調査。それによるとどうやら水カビ病という病気らしいことが判明。プリントアウトした病状の症例写真を見せると、「あっ!そうですよ、これですよ!これと同じです!」と叫んでいました。
 希望の光が見えたウーパー(社員)は、目を輝かせて会社帰りにペットショップへ。詳しいことを店員に話すと、やはりよほどひどい病状らしく、薬を買って帰宅。すると、夜にはエサを食べるまでに回復したそうです。一安心。しかし、この幸せが長くは続くはずもなく、悪魔の鉤爪がヒタヒタと迫ってきていることを後輩は知る由もありませんでした。


 数日後、朝からウーパー(社員)の様子がちょっとおかしかったんです。何を聞いてもうわの空。ウーパールーパー(ペット)の件を尋ねると「…落ち着いてから話します」と答えました。私のおかげで病気が判明し、薬も投与したはずなのに、明らかにテンションが低い。
 話は早朝にさかのぼります。目が覚めてペットの様子を見に行ったウーパーは、信じられない光景を目の当たりにしました。水槽のどこにも愛しのウーパールーパーが見当たらないのです。もしかして元気になりすぎて水槽から飛び出したのかも、と思ってよく探したら、意外なところで見つかりました。ウーパールーパーは、水槽の循環ポンプに吸い込まれて詰まる、という壮絶な最期を遂げていたのです…。ポンプのキャップを外していたのは他ならぬ飼い主自身。彼が自らとどめをさしたことになります。こんなことがあったのによく出社出来たものです。
 ショックを受けている彼に「でも、病気で死んで、浮いたところを吸われたのかも知れないし」と慰めておきました。でも最後は、飼い主にもとどめを忘れずに「ま、多分吸われて死んだんだろうけどね」と追加。


 翌日、ウーパー(社員)は亡骸を神社に埋めてきたそうです。かわいそうな話です。でも、死の原因は彼本人が作った可能性が高いわけですし、一番かわいそうなのは星になったウーパールーパーの方でしょうしね。ウーパー(社員)は開き直って「そうですよね。僕が殺したんですから。殺るか殺られるかだったんですから」とわけのわからないことを言いながら強がっていました(笑)。
 そして、それからというもの、ことあるごとに私が「ゴゴゴゴゴ…」と、ウーパールーパーがポンプに吸い込まれた時の想像音を飛び道具で使用し、その度に心をいためるウーパーでありました。