宮廷潜入!薬膳の夜

ゲゲゲヒロイン

今日の料理

 さて、昨日、吐き気と頭痛に悩まされながら仕入れた材料を使って、本日挑戦するのは「参鶏湯」です。サムゲタン。韓国料理ですね。鶏を丸々使ってつくるアレです。なんでこんなものを作りたくなったのか自分でもよくわかりませんが、圧力鍋のリニューアルにともなって、料理人の血が騒いでいるのでしょうね(笑)。


 会社で丸鶏を買って来ました。ブラジル産の小さめのものなので(1200g)、鍋にちょうど入ります。首と足は付いていませんのでご安心を。
 まず、首側の穴をつまようじで閉じ、お尻からお腹の中に具をじゃんじゃん詰めていきます。洗って水に浸けておいたもち米、ぎんなん(水煮)、栗(甘露煮)、クコの実、松の実、にんにくなど。あまり入れすぎるともち米が膨張して鶏のお腹が割れてしまうそうなので、八分目くらいがいいそうです。で、お尻もつまようじでとめます。
 圧力鍋に、さっきの鶏を入れ、水と酒と紹興酒(餃子の残りがまだあります)と適当に入れてみます。ヒタヒタくらいでしょうか。で、ぶつ切りにしたネギ、ショウガ、もどした干しシイタケを投入。お腹に詰めきれずに残ってしまった松の実やクコの実も入れてしまいましょうか。そして、塩コショーで薄味に味付け。
 で、ちょっくら沸騰。灰汁をしっかりと取り除きます。数分したら、ふたをして圧力GO! 弱火で1時間。簡単簡単。


 待っている間に、干しシイタケの話。
 生のシイタケよりも栄養価があると言われている干しシイタケ。でも、普段あまり活用しませんよね。生の方が身も厚くて美味しいですし。でも、きちんともどせば干しシイタケもとっても美味しいんですよ。
 干しシイタケ、どうやってもどしてます? 水でじっくり? ぬるま湯で小一時間? 時間がないからってお湯で数分? さて、どれが正解なんでしょう。
 干しシイタケのパッケージの裏を見てみると、大抵の場合、ぬるま湯説が掲載されています。というわけで、正解はぬるま湯。…というのは誤り
 干しシイタケというのは、もどすのに時間をかければかけるほど美味しくなるんです。旨味も満載、ふっくらジューシーにふくらむんです。じゃ、正解は水ですね。…いや、これもちょっと惜しい
 実は、冷蔵庫に入れなきゃいけないんです。ボールなどに干しシイタケを入れて、冷水を注ぎ、浮いてこないようにお皿などで落し蓋をしたら、冷蔵庫に入れて一晩。これで美味しい干しシイタケと出会えるはずです。ただ、一晩浸けるということは、前の晩から翌日の献立を決定しなければいけないということで。これまた難儀な話です。


 さ、そろそろ煮えたでしょうか。圧が下がった頃にフタオープン!! 煮えています、煮えています。具も飛び出していませんでした。安心。
 鶏をそっと別の容器に移し、骨を取り除いて鍋に戻します。とっても柔らかくなっていますので、トングなどでつかむと、骨もポロっと取れますよ。ま、取りきれていなくても、食べる時に出せばいいんですから。
 煮ながら味見をして、塩コショーで味を再度ととのえたら、完成。薄めの仕上がりにして、食べる時に各自お好みでポン酢や塩などを足してみてくださいね。


 味見。なかなか美味しいです。鶏のダシがしっかり出ています。「これは何回も作らなきゃ!」と感激するほどの出来栄えじゃないですが、これはそういうものなんでしょうね。本来、宮廷の薬膳料理なわけですし、体にいいスープってことなら万々歳です。あ、キムチを入れて食べるのも美味しそうだったんですが、冷蔵庫になかったので断念。

もう一品

 今日はもう一品。「豚バラのやわらかカツ」を作ってみました。(勝手に命名
 豚カツといったら、普通はロース、かたロース、ヒレなどを使うんですが、今回はバラ肉。でも、そのまま揚げたんじゃ硬いし脂っぽい。ここでまた圧力鍋の登場です。


 昨夜のうちに下準備を済ませておきました。まず、豚バラのブロックに塩コショーをして、フライパンで全面に焼き色を付けます。そして、酒と水とショウガを入れた圧力鍋で蒸してみました。今回の圧力鍋は蒸しカゴが付いているのでなかなか便利です。で、圧をかけて30分。蒸しあがったら、取り出して冷蔵庫で冷やしておきましょう。
 で、冷えて固まったところを、適当な大きさに切り分けて、あとは普通にとんかつを作る手順で衣をつけて揚げるだけです。中身に火は通ってますので、キツネ色に揚がれば完成。


 味見。これは美味しい。脂がとけてジューシーです。豚の角煮をフライにしたようなものですから、ウスターよりはポン酢とか甘いタレとかの方が合うと思います。味噌もいいかも。そんなに難しくないので、これもチャレンジしてみましょう。圧力鍋がなかったら、長時間蒸せば済む話ですから。
 この料理、昔、ビストロ・スマップでキムタクが作ってたんですよね。正確には、うろ覚えなので“こんな感じの”料理ですが。で、一回作ってみたいなと思ってまして、本日実現。これはまた食べたい味です。

もう一品

 実はもう一品ありました。「揚げだしナスの冷製」。でも、まあコレは、切り込み入れて揚げたナスを、おろしショウガ入りのめんつゆにぶち込んで冷蔵庫で冷やすだけなので、特にレクチャーもありません。でも、今夜はこれは一番美味しかったです(笑)。
 ああ、ナス好きの私。揚げだしナスの季節が巡ってきたことに感謝します!(一年中、勝手に食ってろよ)