藤井さんの逆転勝訴

きのこクリーム

フレックスでGO

 今日はフレックスだったので、パルコの仏へ手鍋ハヤシを食べに行ってきました。風邪なんだからおとなしく直帰すればいいのに、困ったものです。
 向かう最中、地下鉄のホームで初老のおばさま2人が立ち話。それを隣で神田川さんが立ち聞き。
「ほら、うち、旦那がいないでしょ」
 離婚でしょうか。でも、もう歳も歳なので、先立たれたって可能性もありますね。
「結婚してすぐ、蒸発しちゃってね
 え?蒸発?(笑) えらくあっさりと言った割には、ものすごく衝撃の発言ですね。
「30代でね、子供2人、ひとりで育てたのよ」
 ああ、そうなんですか。大変でしたね。でも、結婚してすぐ旦那が蒸発しちゃったくせに、子供は2人も授かってるわけだ(笑)。計算がちょっとおかしくないですか。このおばさまの話、あまり信用できないかも。過大飛躍の可能性大。
 だいたい、本当に蒸発なんでしょうかね。逃げられただけなんじゃないですか? そう簡単に消えて無くなるはずないですもん。
 それにしても、「蒸発」を水だけじゃなくて人間にも適用しようと考えた最初の人、凄いですよね。「蒸発」ですもんね。画期的。

 今日は、きのこクリームソースハンバーグと手鍋ハヤシを注文。新作の中でハヤシに合うハンバーグを選んだので、きのこクリームははなっからどうでもよかったのですが、ハヤシが期待したほど美味しくなくて残念。おかしいなぁ。以前はもっと美味しかったはずなのになぁ。ねぎ塩ハンバーグの復活によって、仏も再起復興の光が降り注いだかのように思えたのですが、そうでもなかったようです。

医者

 風邪を引いて今日で5日目。やっと病院へ行ってきました。こんな時にしか行けないので。
 待合室に座っていると、どこぞのおじいさんが来院。受付にてこんなやりとり。
「今日は風邪です」
「お熱、ありますか?」
38度! あ、いやいや、36度8分!
 てんで違うじゃないですか(笑)。高熱と平熱。ま、よくある間違いではありますが。


 そういえば、以前、この病院で起きた珍エピソードをここで紹介。

7年前の思い出

 会社に提出する健康診断のレントゲン撮影のために訪れた時のこと。
 待合室で待機していると、診察室から看護師さんが顔を出しました。
神田川さーん、藤井さーん、中へお入りください
 私は「あ、ハイ」と小さく返事をして扉へと向かいました。私の前に座っていた若い女性も同時に立ち上がったので、彼女が藤井さんなわけですか。どうぞどうぞ、一緒にまいりましょう。
 診察室に入ってすぐの中待合に待機する私と藤井さん。並んで腰掛けていると、背後でなにやら怪しい気配を察知。振り返ってみました。すると、先ほど入ってきたドアを、老人が開けたり閉めたりしているではないですか。何ですか、このジジイ。気味が悪い。どう見ても挙動不審で怪しげ。私も藤井さんも「なに!?」といった面持ちで、ちょっとした恐怖感に包まれています。
 それでもまだドアの開閉を繰り返すジジイ。入ろうか入るまいか迷っているように見えます。いやいや、あんた呼ばれてないから。私は神田川さんでしょ、お隣が藤井さんでしょ、あんたが誰だか存じませんが、お呼びでないですから。
 勘違いなのか、耳が遠くて聞き間違えたのか、いずれにしてもいい迷惑です。私が「帰れ」という視線をジジイに向けると、彼はおとなしく引き下がって待合室へと姿を消しました。それでいいんです。私と藤井さんが診察を終えるまで、もう少し待ってなさい。


 しばらくして、ナースが私たちのもとへとやってきました。隣の藤井さんに「今日は風邪ですか?」などと質問をしています。風邪は早急に治した方がいいですからね。長引くとやっかいです。ナースはカルテに何か書き込みをし、今度は私の前に到着。
藤井さん、今日は、えーっと、風邪で…」
 え?いやいや、藤井さんは隣でしょ?(笑) さっき質問し終えたじゃないですか。今度は私。私は神田川さん。勘違いでしょうか。私はナースの言葉を遮って「…神田川ですけど」と訂正しました。
 すると、ナースの表情が急変。明らかに顔で「えっ?」と言っています。えっ?じゃないよ。私は神田川さんで、この隣の女性が藤井さんでしょう。えっ?はこっちの台詞です。
 ナースはあわててカルテを確認しに行き、戻ってきて隣の藤井さんにこう聞きました。
ナ「神田川さんですよね?
女「はい
 え!?(笑) どういうこと!? この人、藤井さんでしょ? 違うの? 藤井さんじゃないの? 神田川さんなの? でも、神田川さんは私でしょ。どうなってるのさ。私も神田川、あなたも神田川サザエさんのエンディングじゃないんですから、笑う声までおんなじね〜ってワハハハ笑ってる場合じゃないんですよ。
 ちょっと待って。ということは、私が藤井さんだとばかり思っていた彼女が神田川さんだとすると、ここには神田川さんが二人。じゃ、藤井さんはいったいどこに…。
 あっ、さっきのジジイ!
 あいつが真の藤井か! 間違えてたのは、あのジジイじゃなくて、私だったわけですか。とんだ赤っ恥。わがもの顔で座って、帰れビームまで発射してしまったじゃないですか。
神「(わたし)違いました?」
ナ「神田川さんが二人いたんですね(笑)
 ひどい仕打ちですね。だったら、ちゃんとフルネームで呼べよ。ナースの教育がなってないから、こういう取り違えが起こるんですよ。ソフィー婦長にしつけてもらわないと(いやいや、まだこの時は出会ってもいないから)


 私があわてて診察室を出ると、再び藤井さんが中に呼ばれました。やっぱり先ほどの老人でした。なぜか私は彼に負けたような気がしてなりませんでした。