ついに発射!未知なるポテトン

ポテトンセット

着火

 昼時。久々にオムライスでも作って食べようかなぁと台所に行ったところ、ガスコンロの火がつけっぱなし
 うぉっ、危ない危ない。とろ火になってたので、ついてるのを誰かが見落としてしまったんでしょうね。こういった小さなことが大きな鍛冶に、いや火事につながりますから要注意。
 余談ですが、弱火よりも弱い火加減のことを「とろ火」というのは公式だそうです。
強火→中火→弱火→とろ火
ですね。憶えておきましょう。
 さらに余談ですが、
化け火+つるべ火+姥火(うばがび)+天火+海月の火玉(くらげのひのたま)
炎の妖怪五人衆ですから、こちらもセットで憶えておきましょう(ホントに余談だな。鬼太郎は不必要ですから)


 さて、話を戻しましょう。火のつけっぱなし。
 そういえば、さっき祖父が「ワンタンを煮て食べた」と言ってました。犯人はおそらく彼でしょう。懲らしめなきゃ。
「火、ついたままだったよ!」
「コンロか?」
「そう」
ヒッヒッヒッ
 いやいや、どう考えてもリアクションがおかしいよ(笑)。今後、家が燃えたら、絶対にじじいのせいだな。

オム

 というミニ事件を経て、オムライス作り開始。
 私、オムレツとかあまり得意じゃないんですよねぇ。シェフがよくやる、フライパンでオムレツをクルックルッと回転させる技術、あれが備わっていなくて。
 ああいうことを専門学校で教えてくれないといけないよなぁと思うんですけどねぇ。よくわからないフランス料理ばかり押し付けられても困るんですよね。美味しくないし。もっと、ハンバーグとかオムライスとかカレーとか、基礎を仕込んでくれなきゃ(お前が食べたいだけだろう)
 おや、そうは言っても、今日はうまく玉子が焼けましたよ。とろとろです。ライスに乗せるのもうまくいきました。やれば出来る子なんですよ、神田川さん。これは美味しそうだ。今までで一番うまくいったオムライスかも。
 期待して実食。見た目もとろとろですが、食べてもとろとろだぁ。成功ですね。でも、あれ? なんだか物足りない。もうひとくち。ん? おかしい。やけにぼやけた味
 あ、しまった。玉子に、生クリームやら白ワインやらいろいろ入れて気取ったくせに、肝心の「食塩」を入れるのを忘れました(笑)。どうりで味がしないはずだ。ま、ご飯のほうに味が付いてますから大丈夫は大丈夫ですけど、塩って大事だなぁと改めて思いました。

神田川クッキング

 さて、毎週恒例となりましたクッキング道場。
 今夜のメニューは、またしても神田川さん創作の新料理。その名も「ポテトン」です。
 とんかつをパン粉じゃなくて、マッシュポテトの粉で揚げてしまおうという大胆な企画です(別に企画じゃねぇよ)
 「ポテト」+「とんかつ」なので「ポテトン」。ですから、発音は「テポドン」のそれではなくて「矢場とん」のイントネーションでお願いします(勝手な創作のくせに、いちいち細けぇよ)
 パン粉の代わりに、アーモンドやコーンフレークを使ったフライってのはあると思いますが、マッシュポテトの粉ってのは聞いたことない気がします。それが、今まで誰も思いつかなかったせいのか、思いついたけど失敗作で浸透しなかったのかだけなのかが気がかりですが(笑)、思いついてしまったからには作ってみないと気が済まない神田川さん。勇気を出して行ってみましょう。


 とは言っても、作り方をわざわざここで紹介するほどのものでもないんですけどね。普通のとんかつの手順で作ってもらって、パン粉をマッシュポテトの粉に差し替えるだけですから。今回は、粉にパルメザンチーズも混ぜてみました。まあ、揚げてしまったら何も感じないとは思いますけど、気分的に。
 あ、そうそう。味付けなんですけどね。これを思いついた時には、せっかくポテトで包むわけですから、トマトソースでも作ってかけようかなぁと思ってたんですよ。ちょっとイタリアンな感じで。ウスターは違うなぁと判断。
 でも、昨日、お昼の弁当に入っていたカレーコロッケを食べて、頭上で電球がピカリ(いつの時代の表現だよ)。そうだ、カレー味にしよう。豚肉に下味をつける時に、塩コショーと一緒にカレー粉もまぶしてしまえばいいわけですから。これでトマトソースをわざわざ作る手間が省けました。めでたしめでたし。
 そんな感じで下味をつけた豚肉に、小麦粉、玉子、マッシュの順で衣をつけていきます。パン粉と違ってちょっと粉がつきにくいですが、頑張って下さい。神田川さんはあなたを応援しています。
 さあ、ここまで出来たら、あとは揚げるだけ。あまり火が強いと焦げてしまうので注意。こんがり揚がればカレー味のポテトンの完成です。


 それだけでは淋しいので、付け合せにバジルのパスタラタトゥイユを。パスタは面倒だったのでS&Bのソースに逃げましたが(笑)、ラタトゥイユはちゃんと作りましたよ。
 ただ、「これがラタトゥイユだ」とはっきり提示されたものを食べた記憶がないので、作り方は適当。「これが多分ラタトゥイユっていうんだよなぁ」と思って食べた料理を思い出して、再現。しかも、それももうずいぶん前なので、イメージだけを頼りに。いや、作る前にネットで調べれば早いんでしょうけどね、それはしたくないんですよ。自分の力を試したくて(笑)。
 ほら、↑の写真を見てもらえばわかると思いますが、仕上がりは上々でしょう? どこのイタリアンレストランに来ちゃった?みたいな(笑)。そう、ここはミラノ(それにしちゃ顔はのっぺりしてますけど)


 問題のポテトンのお味はどうでしょうか。おや、カラリと揚がっていてなかなか美味しいです。でもまあ、じゃがいもの味がするってわけでもないし、特にマッシュポテトの粉を使う必要もないかなぁというのが率直な感想。
 よく考えたら、マッシュポテトの粉ってデンプンですもんねぇ。じゃ、片栗粉でも一緒じゃん(笑)。なぁんだ。


 でも、マッシュポテトの粉ってなかなか使い勝手がいいんですよ。お湯と牛乳で膨らませてマッシュポテトにするわけですけどね、ポテトサラダにしたりコロッケに使ったりだけじゃないんですよ。
 餃子の皮で包んで揚げたりしても美味しいです。コーン入れてみたり、チーズ入れてみたり、いろいろアレンジが効きますし。今は、そういった冷凍食品も出てるみたいですけど、私は10年以上も前からやってますから。誰だ、盗んだの(お前の発案じゃないだろう)
 あと、カレーやクリームシチューなどを作った際に、ちょっととろみが弱いなぁって時ありますよねぇ。きっと煮詰めてもこれはどうしようもないなぁって時。そういう時に、マッシュポテトの粉を入れるととろみがつきます。ただ、水分をとばしてとろみをつけるわけじゃないですから、じゃがいも味が全面に出てしまうので、ある程度の覚悟は必要です(笑)。


 それの応用で、今回はスープにも利用。だって、肉に全部がつくわけじゃないですから、皿に出した分、捨てるの勿体ないですもん。
 ベーコンと玉ねぎとしめじをバターで炒めて、そこへ白ワイン、水、牛乳を入れて煮ます。塩コショーとコンソメで味付けし、仕上げに生クリームとマッシュを入れて完成。即席ポテトスープ。簡単でしょ。


 というわけで、ポテトンが納得いく結果だったかはさておき、全体のバランスとしてはよく仕上がりました。合格。
母「この野菜のが美味しいねぇ」
 ああ、模擬ラタトゥユですね。どうも。
母「このきゅうりみたいなのは何?」
神「ズッキーニ」
母「ああ、やっぱり
 知らねぇくせに(笑)。