とろろの偽装工作

中華三昧

神田川クッキング

 今夜の夕食は豪華中華三昧。いや、別に豪華ってわけでもないか。とりあえずこんな感じです→。
 以前つくった「ねぎ塩唐揚げ*1」と、同じく以前つくった「炊き込みチャーハン*2」のコラボレーション。さらに、炒飯の中には、これまた以前つくった「蒸し豚*3」を入れてしまおうという盛り込みよう。そして、おまけの「わかめとえのきの玉子スープ」。
 チャーハンに関しては、炊き込むにしろ、普通に炒めてつくるにしろ、中華系の粉末ダシを各種ブレンドして投入すると面白いように美味しくなることを先日発見したので、皆さんもお試しください。
 つくる前に、とりあえず粉状の調味料は全部混ぜてスタンバイ。塩、コショー、味の素の他に、鶏ガラスープの素、帆立だしの素、豚骨スープの素、粉末干しエビ、かつおダシ、コンソメ牛・豚・鶏・魚介、これだけのダシをぶち込むんですから、深みが出ないはずがない。
 でも、お試しくださいと言っておきながら、まず普通のご家庭ではこんなに調味料が揃わないと思いますけどね(笑)。そんなに高くないですし、いろんな料理にそれぞれ使えますから、見つけたら買ってみましょう。


 はい、で、今日はまたしても炊き込みですから、米を磨いで、少なめの水と酒、みじん切りの長ねぎ、みじん切りのにんにく、みじん切りのザーサイ、醤油少々、おなじみ味覇カニエキス、そして先ほどのブレンド調味料を入れてよく混ぜます。
 その上に具を散りばめます。本日は、前夜に圧力鍋で蒸した蒸し豚の角切り、しいたけ、タケノコ、むきエビ、ミックスベジタブル。
 そして、具の上からごま油をたらし、ラードも少し投入し、あとは炊飯器のスイッチをポン。
 炊き上がったら、別でつくっておいた炒り玉子を混ぜて出来上がりです。


 炊き込みチャーハンの利点は、普通に炒めるより油が少なくて済むのでヘルシーってのと、炒めなくても勝手に出来上がってくれるっていう簡単さと、量が多くても一気につくれるって利便性。
 ただ、あくまでも炊き込みご飯なので、軽めになってしまうのが欠点。味は確かにチャーハンですけど、「チャーハンだ」と思って食べるとちょっと物足りないというか。コンビニ弁当のチャーハンみたいな感じだと思ってもらえれば早いです。ま、そういう時は、炊き上がったチャーハンをもう一回油で炒めてもらうってことで(笑)。

中華料理

 チャーハンで思い出しましたけど、その昔、中華料理店でこんなことがありました。
 小学生時代、たまに祖父と近所の中華料理店にお昼を食べに行ったんです。
 子供が食べる中華なんて、たいていラーメンかチャーハンくらいじゃないですか。で、私はラーメン好きじゃないので、こういう時はほとんどチャーハンを注文。普通のチャーハンですから、入っている具といえば、ねぎ・ハム・玉子って感じで。
 で、ある日、メニューに載っていた「チャーハン(上)」ってのが気になって注文してみたわけですよ。寿司じゃないんですから、並も上もない気がするんですけどねぇ(笑)。おそらく具が並よりも豊富なんでしょう。
 そして、テーブルにやってきましたチャーハン(上)。おお、やっぱり盛りだくさんの具。詳しくは思い出せませんが、エビとか野菜とかがふんだんに入っていたと記憶しております。
 さあ、これは楽しみだ。いただきます。
 しかし、レンゲでチャーハンを口に運んだ瞬間、忌々しい香りが体じゅうを駆け抜けるのを感じたのです。こ、こ、これは、ピーマン! ピーマンのあの独特の香りが鼻に抜けるわけです。
 今はもう大人ですからピーマンくらい平気で食べますが、子供の頃は大の苦手でありました。こんな野菜はいらねぇよってくらい。ピーマンが好きな子供ってほうが珍しいですもんね。で、そのくらい嫌いだったピーマンの味が確かにするんですよ、この目の前のチャーハンは。何が“上”ですか。とんでもない曲者じゃないですか。
ピーマンの味がする…」
 そう言って落胆する幼い神田川さん。心配した祖父が「これ、ピーマン入ってる?」と店主に尋ねたところ、「入ってないよ」と驚愕の返事が。
 いやいや、入ってないわけないんです。明らかにピーマンの味が全面に出てるんですから。「入ってない」と言えば子供くらいごまかせるとでも思っているのでしょうか。甘くみちゃいけませんよ。子供は、こういう時恐るべきパワーを発揮しますからね。だから、好き嫌いを克服させるのが大変で、親も苦労するんですし。
 というわけで、せっかく頼んだ“上”でしたが、私の舌が受け付けなかったため、再び“並”を別注することに。バカバカしいったらありゃしない。嘘つき店主め、今度は余計なもの入れるんじゃないぞ。

とんかつ

 ちなみにその中華料理店はとんかつ屋も兼ねていて、「とんかつ・中華」みたいな掲げ方だったのですが、メニューに載っていたちょっと変わったとんかつに神田川さんは注目。
 なんと、とんかつにとろろがかかっているではありませんか。山かけのとんかつなんて珍しい。さすがはとんかつ屋。なかなかやるなぁと子供ながら感心。
 そして、たまたまその日の我が家の夕食が、とんかつととろろ汁だったため、「これはしめた」と神田川さんの冒険心に火がつきました。家族の反対を押し切り、「メニューに載っていた」と言ってとんかつにとろろをかけてみた神田川さん。いただきます。
 あれ? そんなに美味しいものでもないなぁ。おかしいなぁ。でも、食べなきゃなぁ。


 そして、そのとろろとんかつが実は勘違いで、実際のお店のメニューは白い大根おろしが乗った「みぞれとんかつ」だったことが判明したのは、それから随分経ってからのことでした。