下北ウェンズデーズ

社長放浪記

旅路

 さ、今日は久々に、って言っても2ヶ月弱ぶりですが、東京への旅。ずいぶん前にチケットを取った*1舞台「社長放浪記」の観劇です。伊東四朗生誕70年記念の公演なので、私も古希のつもりで挑まなくては(お前はいくつまで生きるつもりだ)

支度

 まずは乗車前に高島屋のデパ地下で昼食さがし。新幹線の中で美味しいものいっぱい食べなきゃ。とりあえず、景気付けにベジテリアでメロンのジュースを一気飲み。はい、あれも買って、これも買って。ちょっと買いすぎなような気もしますが、たらふく食べたい気分なので構いませんね。


 さ、そろそろ改札口に向かいましょうか。あ、でもその前にキオスクでゲゲゲのストラップ捜し。以前ゲットした「しゃちほこおやじ*2に続いて、何かないですかねぇ。
 あ、ありました。「エビフリャ〜おやじ」。
 いまどき、どの名古屋人も発音しない「エビフリャ〜」なんて名称がついている時点でかなり名古屋がバカにされている気がしますが、はい、おやじゲットだぜ!
 それにしても、キティちゃんに比べて、ホント、目玉おやじは少ないですねぇ。鬼太郎ブームなんですからもっと推し出せばいいのに。坂東三津五郎さんが娘さんのために必死に集めているというご当地キューピーなんかに負けてられませんよ(オマケ情報をどうもありがとう)
 あれ? キティちゃんストラップの並びに、なんだかおかしなものがありますよ。何ですか、コレ。
 ういろうキティですって。いやいや、こんなのキティちゃんじゃないじゃない。どう見ても、色違いのぬりかべですもん。先日初登場したぬりかべの奥さん役で出演してもわからないくらいですもん。サンリオももっと考えた方がいいですって
 あ、ういろうついでに、先日シモちゃんからもらった偽水ようかんのういろう*3も見つけてしまいました。キオスクでも売ってるんだ…。シモちゃんももっと考えた方がいいですって

乗車

 のぞみに乗って、いざ出発。って、なんでこんなに混んでるんですか? 平日の昼間っていつもこんな感じ? せっかくのグリーン車なのに、ものすごい混みようですもん。気が滅入る。
 当然、私の隣の席にも知らない人が。ぜんぜんのんびりできないなぁ。しかも、その隣のオッサンがビール飲みながら弁当食いながら文庫本読んでるもんだから、酒臭くて気分が悪い。最悪。
 さらに、私の席は窓側だったのですが、窓下のスペースに、前の人の使い終わったおしぼりが放置してあるじゃございませんか。ちょっとちょっと、困りますよ。私とすれ違いで名古屋で下車した人でしょうか。それとも、この隣でビール飲みながら弁当食いながら文庫本読んでるオッサンがエイって手を伸ばしてここに捨てたとか。どちらにせよ、ひどい。
 ゴミを集めて歩く乗務員たちが何度も通り過ぎるのですが、私の席のゴミはぜんぜん気にしないんですもん。見もしない。スルー。腹立ってきました。


 そのうち、女性乗務員が切符を切りに来たので、ついでに「あの、これ、前の人のなんですけど」とゴミを指差しながら嫌味っぽく言ってやると、謝って、すぐに別のものが参りますと言ってくれたものの、その態度が「申し訳ありません」なんてこれっぽっちも思ってないような冷たい態度で、余計にイラっと来てしまいました。何なんでしょうねぇ。マニュアル通りの対応なのでしょうか。顔色ひとつ変えずに謝られても、逆に気分悪くなるだけです。
 しかも、しばらくして私の席のゴミを係りの乗務員が「すみませんでした」と回収しにきたのですが、私にそのゴミを取って渡せと言わんばかりのアピール。ま、そうだろうなぁと予想はしてたんですけどね。通路側には人が座ってるので、通路に立ってる乗務員では窓際のゴミまで手が届かないと思いますし。でも、誰かが使って捨てたおしぼりですよ。どこを拭いたかわかったもんじゃない汚れ布ですよ。それを、客の私につまんで渡せと? あなたは乗務員だからどんなことも仕事ですけど、私は客ですよ。「人のおしぼりなのに、私がつかんで渡すんですか? 私が?」と言ってやろうかとも思ったのですが、そこまで嫌味な乗客もなんだかなぁと思って、結局、おしぼりの包み袋を介しておしぼりをむんずとつかみ、嫌そうな顔をして渡してやりました。
 ったく、高い金払ってグリーン車乗ってんのに、混んでるうえにこんなことまでやらされて、ホント、いい加減にして欲しいですよ。


 さ、気を取り直して、食事、食事。ああ、食べ過ぎた。気分悪い。そして、食後は恒例のDVD鑑賞といきましょうか。
 今日の鑑賞は、1973年のアメリカ映画「スティング」。

スティング [DVD]

スティング [DVD]

 1930年代のシカゴを舞台にした詐欺師のお話です。つい5日前にある人に薦められてしまったので、速攻ネットで注文して取り寄せました。同じように彼に薦められた「大脱走」はとっても面白くて*4、結局、吹き替え版が観たくてDVDまで購入してしまいましたし。
 でもね、こういった古い洋画って、吹き替え版ならまだしも、字幕だとすぐに入り込めないんですよねぇ。時代背景とか設定とかがよくわからないし、知らない外人ばかり出てるので、誰が誰なのかさっぱりわからないまましばらく観なきゃいけない。「ええと、この人は誰だっけ…」ってなことはしょっちゅう。ノッてこれば面白いんですけどね。
 でも、ノッてこないうちに品川に着いてしまいました。まだまだ序盤ですねぇ。とりあえずいったん詐欺師のことは忘れましょ。

下北へ

 今回の公演の劇場は、下北沢にある本多劇場。初めての参戦です。なんとか辿り着けるでしょう。山手線で行き慣れた渋谷まで行って、そこから井の頭線に乗り換えて下北沢まで。はい、到着。演劇のメッカへようこそ。


 さ、劇場にも無事に辿り着けました。今日は贅沢にも3列目のセンター寄りにて鑑賞です。ああ、豪華。
 そんな豪華さとは裏腹に、両隣の席をおじいさんで挟まれてしまいました。右手にじじい、左手にじじい。そして漂う加齢臭(笑)。いや、やめて。せっかくの喜劇なのに、気分が台無しじゃないさ。加齢は必要ありません。幸先悪いなぁ。

スタート

 そして、「社長放浪記」の上演がはじまりました。まだ幕が開いたばかりなのであまり細かいことは書けませんが、とある会社の社長さんが勘違いでとんでもない事態に巻き込まれ、社長も社員も右往左往するというストーリー。そこに、三谷さんお得意の「誰かが誰かに成りすます」というネタが絡まり、突き進んでいきます。「戸惑いの日曜日」にもちょっと似た感じでしょうか。
 皆さん、芸達者な出演者ばかりで、生き生きと演じてらっしゃいました。主演の伊東さんは当然のこと、演出も兼ねてる三宅裕司さん、山口良一さん、伊東さんの息子さん、Take2の東さん、皆さんしっかり演じられてて好印象。
 どうしてこの人をキャスティング?と疑問に思っていた藤澤恵麻さんも、舞台初挑戦ながらなかなか自然に演じてました。背が高いので多少ロバっぽく見えましたけど(笑)。誰のつながりでキャスティングされたのか疑問だったのですが、意外にも三谷さんのご指名だったんですね。へぇ。何を観てるかわからないので恐ろしいですね。
 で、一番驚いたのが、秘書役の河本千明という女優さん。三宅さんが座長をつとめる劇団「SET」の新人女優さんらしいのですが、ものすごく堂々と演じていらして、お芝居もお上手でしたし、ちょっと感心。映画やドラマにもちょろっと出てるみたいなので、これから期待してみようと思います。本人はお綺麗な方ですけど、写真写りがどうしてこうもブサイクなのかが疑問(笑)。
 反対に、Take2の東さんは、実物が意外にかっこよくて驚きました(笑)。役柄のせいもあると思いますが、好青年に見えて仕方ありませんでした。さすがは「下町のプリンス」。中身は知りませんけど(笑)。
 そして、本日の目玉は、何といっても中村メイコでしょう。生四朗は以前体験したので、今日は生メイコが旅の目的といっても過言ではありません。素晴らしかったです。もう歳が歳なので、バケモノ化してきているという感じも否めませんが(笑)、そのあたりも含めて可愛らしかったです。


 さて、ここまで散々褒めてまいりましたが、そうにもいかない問題児がひとり…。今まで名前が挙がらなかった人。…そう、B作です(笑)。
 何なんですかねぇ。別にB作さんが嫌いってことじゃないんですけど、今回の芝居はどうもしっくりこないというか。彼の笑いどころでは正直あんまり笑えなかったんですよねぇ。全体的に寒い。劇中で何度も繰り返し披露するネタがあるんですけどね、その度に客席は大ウケするのですが、私的には全然面白くもなんともなくて、皆が笑う中、無理に笑うことも出来なかったなぁ。脚本がいけないのか、演出がいけないのか、B作がいけないのか、私がいけないのか(笑)、そのあたりはわかりませんけど、私の感想としては、B作のせいでこの芝居全体のレベルが落ちてるような気がしてなりません。
 普通なら「すっごい面白い!」と手放しに喜んでもよさそうなのですが、三谷ファンとしてちょっと厳しい目でみるとそんな感じです。トータルで言えば、やっぱり「コンフィダント・絆」には敵わないかなぁって。笑いの種類が違うので比べるってのもおかしいですけどね。
 だからって、面白くないわけじゃないですから。面白いですから、ちゃんと。面子は豪華ですし。そのあたりは誤解のないように。あ、でも、両側から加齢臭が押し寄せてこなきゃもっと楽しめたかもなぁ(笑)。環境ってのも大事なんだってことが身に沁みました。

芸能人目撃

 そういえば、観劇中にこんな出来事が。私は3列目だったのですが、開演前、私のナナメ前の席が空いたままだったんですね。
 で、もしかして関係者席の割り当てで、どこぞの有名人でも観に来るんじゃないかと期待してたわけです。良席でしたし、ああいう芸能人とかって、ギリギリまで控えてて、劇場の客電が落ちたタイミングでサササっと入ってきて着席するってことが多いみたいですし。おや、これは楽しみ。
 しかし、暗くなって、音楽が鳴って、芝居の幕が開いても誰も来ず。何だ、ただの空席か。期待して損した。
 と思ったら、開幕して数分後、サササっと人の姿が。おおっと、来ましたね! ザ・芸能人!
 暗いとはいっても、2列目なので、舞台のあかりのおかげで顔くらいは見えるでしょう。「すみません」とすでに着席していた隣の席の男性に笑顔で謝っているようです。その横顔、バッチリ見ましたよ。若手の女優さんです。お綺麗な方。でも、名前がわかりません(笑)。
 ええと、誰だっけなぁ。確か、この人は朝ドラのヒロインだったはず。それも、そんなに遠くない過去。顔は知ってるんだけどなぁ、名前が…。うわぁ、気になる。気になって仕方ない。
 ま、でも、顔は把握してるわけですから、帰ってから検索でもすれば解決するか。とりあえず、今は芝居に集中しましょ。でも、時折、彼女が気になってしまうんですよねぇ(笑)。ちゃんと楽しんで観ててくれてるかなぁって。私まで関係者の気分(笑)。


 そして閉幕。客電がつくまえにサササっといなくなってしまったら、顔を今一度確認するチャンスがないなぁと心配していたのですが、ちゃんと座っててくれました。絶対にあの女優さんで間違いないのですが、確信を得たいので。
 あ、また横を向いてくれました。笑顔です。楽しそうで何より。しかし、笑顔ではありましたが、顔そのものは思い描いていた人とは全くの別人でした誰だよ、おまえ!(笑)
 明らかに一般の人じゃないですか。私は何を見てたんだ、まったく。どうでもいい観客の反応を心の片隅で心配しながら2時間10分ずっと過ごしていたわけですか。畜生。あ〜あ、帰ろ。


 そして、一応、帰宅後にネットで検索してみた結果、私がそうだと思い込んでいた女優さんは、原田夏希さんでした。彼女に怨みはありませんが、ちょっと悔しい(笑)。

品川へ

 はい、こちら品川駅。帰りの新幹線の時間までまだちょっとありますから、お土産でも物色しましょうかね。あ、キヲスクでゲゲゲストラップの東京バージョンでも捜してみましょう。
 うーん、ないなぁ。もっと力を入れてくれなきゃ困ります。
 あっ、これ「ゲゲゲの鬼太郎」って書いてある! 見つけた見つけた。
 って、あれ? これ、ちょっと違う…。
 ガチャピンと鬼太郎のコラボレーション…。
 ガチャピンシリーズの一環みたいです。ま、いっか。コレ下さい。

帰りのグルメ

 新幹線の中で何を食べようかなぁと悩んだのですが、昼の車内で鬼のように食べすぎ、そんなにおなかは空いていない状態。それに、もうお弁当みたいなものは食べたくないしなぁ。
 あ、ケーキにしようかなぁ。美味しそうなケーキいっぱい売ってるし。ケーキなんて買ってわざわざ名古屋まで持って帰るのもなんなので、いつもあきらめてたんですよね。ちょうどいいや。帰りに食べちゃえばいいんだから。よし、決まり(行き帰り、もう少しバランスよく食べられないのか)
 そして、BUZZ SERCHとかいう人気店らしきケーキ屋で、バナナが山ほど乗ったタルトっぽいやつと、好物のティラミスのタルトとやらをチョイス。これだけでもう1000円以上します。高い、高い。財布が空っぽです(嘘つけ)
 あ、新幹線で食べるんだから、フォークをつけてもらわないとなぁ。
「あの、フォークとかってつきますか?」
「はい、お入れいたします」
 あ、そう。よかった。じゃ、たんと堪能します。


 そして、車内。さっそく箱を開けていただきます。ええと、フォーク、フォーク…。
 って、ちっちゃ! しかも、スプーン!(笑)。
 コンビニでプリンを買ったときについてくるプラスチックのスプーンよりひと回りくらいミニサイズじゃありませんか。ええええっ!?
 だって、私、プリン買ったわけじゃないんですよ。タルトですよ、タルト。ちょっと、店員。あなた、タルトってご存知? こんなミニスプーンで食べられるほどやわなケーキじゃないはずですよ。しかも、ケーキのサイズは大きめだし。もう、困ったなぁ。
 でも、このスプーンしか頼るものはないしなぁ。仕方ない、文句言ってないで食べるか。


 そして、手をクリームまみれにして完食し、甘いものを食べ過ぎてまた気分が悪くなり、スティングの続きを最後まで観終わらないうちに、今回の旅が終了いたしました。グッバイ下北
 え? あ、そっか。来月も行くんだ(笑)。