東京旅情5・完〜The Last Hell〜

ラスト・ラフ

終幕はいかに

 さて、日曜から連続してお送りしております東京旅情篇も本日の更新がラストです。「お台場冒険王」と「ラスト・ラフ」の2本立てだったはずが、ちっとも芝居の話題は出てこずに今日までやってきました(笑)。「ラスト・ラフ」目当てで読みに来た方、お待たせいたしました。ただ、待たせるだけ待たせて、期待には応えないとうパターンも常例でありますので、どうなるかは知りません(笑)。

最後の笑い

 今回観劇したのは、何度も書いてますが「The Last Laugh(ラスト・ラフ)」。三谷さんの戯曲「笑の大学」の英国上演バージョンの来日公演です。逆輸入ってことですね。演者が外国人なので、もちろん言語は英語。日本語字幕を見ながらの観劇という初めての体験です。


 さ、幕が開いて、上演がスタートしたわけですが、見終わった感想を素直に言いますと「ほとんど記憶にない」が正解です。三谷さんはよく、笑うだけ笑って、あとは何も残らないものが一番の喜劇の理想だと言ってますけど、今回はそういうことじゃなくて、本当に記憶がない(笑)。
 というのも、観劇中に襲われてしまったんですよ神田川さん。え?暴漢!? 違います、違います。睡魔に(笑)。
 前日までハードな仕事の日々が続いていましたし、その日の朝も早起きでしたし、お台場で歩き回って疲労がピークに来ていたんでしょうね。それに、舞台上でしゃべってるのは聞きなれない英語。そして、ステージと字幕を交互に見なきゃならないという慣れない作業。そうしたことがいろいろと折り重なって、“眠気”という悪魔が生まれてしまったようです
 字幕とはいえ、面白いところは面白かったですし、演者の方も素晴らしかったので、申し訳ない気持ちはありますけど、でも、こういうときってどうしようもないですもんね。「寝るな、寝るな」と思っても瞬間瞬間で記憶が飛んでしまいますから…。ハッと気がついては「いけない、いけない」と舞台に観入り、そのうちまたウトウトして、ガクっとなってハッとし…の繰り返し。ろくでもない客です。最前列じゃなくてよかったぁ。それでも7列目だったので前のほうでしたけど。
 そんな具合で、あっという間に第一幕が終わってしまいました。こんなに眠くなってしまったのは、名古屋で「ラ・マンチャの男」を観たとき以来です(笑)。あの時も、よくわからないストーリーについていけず、ほとんど睡眠。目当ての松たか子さんが歌を歌うシーンのたびに、不思議と「おっ」と起きて応援しておりました(笑)。


 そして、15分の休憩を挟んで第二幕がスタート。休憩中に充電しましたからね、今度こそは大丈夫。寝ないようにしなきゃ。
 しかし、今度も襲われてしまいました。またも睡魔? いやいや、今度は新手の悪魔“胃痛”に(笑)。
 途中からものすごく胃が痛くなってきて、正直、舞台どころじゃなくなってきてしまいまして。面白いシーンでは笑いたいんだけど、でも笑うと余計胃が痛くて、ホント困りました。リンダ困っちゃう(それはもう済んだ)。早く胃痛が治まるか、早く舞台が終わるか、もうどうにかしてくれ状態。
 しかも、さらに終盤では、治まっていた眠気が堂々の復活。睡魔と胃痛と笑いが融合した非常にエキセントリックな体感を経験した神田川さん。半分寝ながら、笑って、苦しんで、といった奇妙な症状。カーテンコールをこんなに嬉しく感じたのは初めてです(笑)。


 というわけでほとんど記憶にないありさまでございます。そんな状態なのに、感想を求められても困るのですが、分かる範囲で言うとなると、やっぱり英語がわからない人が英語の劇を見るには万全の状態で臨まないといけないなと(笑)。
 でもね、あの字幕もちょっとわかりづらいんですよね。ステージの両脇に縦に長い電光掲示板があって、そこに日本語字幕が表示されるんですけど、セリフが応酬されるとどのセリフをどっちが言ってるんだかよくわからなくなる。それに、映画みたいにちゃんと忠実にすべてを訳してたらさすがについて行けないので、セリフを要約した感じで表示されるんです。だから、パッと表示されてから長いことずっとしゃべってるので、聞いてるのとは間が違ってきちゃって。「あ、いつのまにか新しい字幕に変わってた」なんてこともしばしば。とはいっても、眠かった私が単についていけてなかっただけかもしれませんので、大きいことは言えませんけど(笑)。
 ストーリー的には、大きな筋は日本版の原作と同じですけど、細かい箇所にオリジナルが加わり、別モノと呼んでもいい仕上がり。非常に面白くまとまっていた気はします。ただ、これも、記憶にない私が言ったところで信憑性もクソもあったもんじゃない(笑)。
 ということで、もしDVDが発売になるなら、ちゃんとした字幕でぜひ観てみたいなぁ、というのが一番の感想です。日本のオリジナルキャストが吹き替えするってのも面白そうですよね。
 そういうことですので、「ラスト・ラフ」レポートを楽しみに待ってくれていた方には申し訳ありませんが、そんなこんなで観劇終了です。さるまた失敬。

帰り

 品川駅に到着する頃には胃痛もずいぶんと治まってきた神田川さん。何だったんだろうなぁ。かきごおりがあたったかなぁ(笑)。ま、いいや。大ごとにならなくてよしとしなきゃ。
 ええと、いつものように駅構内のecute品川で「揚げまんじゅう」を買い、他に何か食べるものはないかなぁと徘徊。
 ふと見ると、「森半」の文字が。えっ!? あの抹茶の森半!?
 以前、期間限定のブースで売られていた抹茶ヴァッフェルを食べてハマり*1フーデックスで抹茶ミルクを飲みあさった*2あの森半がついにレギュラーの座を勝ち取ったのですか? 確か、今まではここってイタリア惣菜っぽいお店だったはず。さすがは森半。よくぞやってくれました。看板の文字を見た瞬間、一気にテンション上がりましたもん。リンダを越えるくらい(笑)。
 というわけで、早速、抹茶ソフトを買い食い。さっきまで胃痛で苦しんでた奴がとる行動じゃありませんね(笑)。
 そして、お土産用で抹茶チーズケーキと抹茶どら焼きを、車内で食べる用に抹茶モンブランを購入。満足です。旅のラストに幸せがやってまいりましたよ。苦あれば楽ありってのはこういう時こそ響き渡るものです。


 さて、ここで少し気になることが。前回、車内でケーキを食べようとしたら、封入されていたスプーンが小さすぎて食べるのに困った話を書きましたけど*3、今回、買った際に、スプーンとかフォークが入れられたかどうか確認するのを怠ってしまいました。おそらく車内で食べるだろうとは思ってないでしょうから、きっと入れてもらえてない予感。
 新幹線の時間までまだちょっとあったので、待機スペースのイスに腰掛けて中身をチェック。そっと箱をあけて覗くと、案の定、何も入ってませんでした。あちゃ〜。
 今からもう一度行って「あの…」と催促するのも恥ずかしいしなぁ。コンビニでプリンを買ってスプーンをもらうって手もありますけど、またそこまで戻るのも面倒だしなぁ。車内でアイスクリームが売られてるんですから、乗ってから乗務員に言ったらスプーンくらい貰えそうなものですけど、それも何だかなぁ…。
 そんな時、ふと目に留まったのが目の前にあったコーヒー売り場。屋台っぽいつくりですけど、スタバみたいにいろいろなコーヒーが売られています。そして、私が目をつけたのは、そこに置かれていたプラスチックのマドラー。「これしかない!」と思いました。フォーリンラブ。
 コーヒーを買う気もないくせに店に近づき、店員に怪しまれながらもさりげなく手を伸ばし、マドラーの入手に成功。よし、これで任務完了です。今回はモンブランですから、こんなちっぽけなマドラーでも大丈夫でしょう。先が小さなスプーンみたいになってますし。


 というわけで、今回の旅で学んだことは、使い捨てのスプーンや割り箸をカバンに入れておけば、いざという時に役に立つということでした。この学びは大きいです(他にもっとあるだろう)
 そして、今回の旅が終われば、しばらく東京行きはお預けです。次は年末の予定。それまで、私もDVDプレイヤーもじっくりと充電して備えておこうと思います。備えあれば憂いなし。スプーンあれば憂いなし。リンダあれば狙い撃ち。
 てな感じで、旅情のおひらきです。お付き合いありがとうございました。