白漬け

ヨーグルト

奇想天外

 母がおかしなものをつくりはじめた。
「知り合いに聞いて、つくってみた」
 数日前から、冷蔵庫になにやら怪しげなタッパーがあるなぁとは思っていたのですが、まさかそれがヨーグルトに漬けたきゅうりだったなんて(笑)。
「ヨーグルトに漬けると美味しいんだってよ」
 聞いたことねぇよ(笑)。ヨーグルトときゅうり?
 確かに漬け物は発酵食品。発酵したヨーグルトに漬けるってのはあながち間違いじゃないかもしれません。デザートとしてだけじゃなく、ヨーグルトは料理にだって使うんですし。
 でも、よりによってきゅうりですか? 奇抜な組み合わせで周囲を圧倒させる私ですら思いつかない驚異のコラボレーションですよ。


 タッパーのフタを開けてみました。
 うわぁ、そのままだ(笑)。ヨーグルトに浸されたきゅうりの群集。
 食べ物を見て、こんなに恐ろしさを感じたのは久々です(笑)。どう見ても、食べる意欲がわきません。気味が悪い。
 普段、きゅうりに何の嫌悪感も抱かない私ですらこうですから、きゅうり嫌いのひじさんや、漬け物嫌いのおけらさんが見たら、青ざめるでしょうね。
 でも、ブログに書くには、味を確認しないことには始まらないよなぁと、意を決して一切れ持ち上げてみました。ヨーグルトときゅうり以外、何が入っているのか母にまったく聞いていなかったので、かなり覚悟して口の中へ…。
 いただきました。容姿もそのままでしたが、味もそのままでした。きゅうりと無糖のヨーグルトを一緒に食べてみた感じ。意外にもそこまでの違和感はありませんでしたけど、まったく意図が理解できませんでした。美味しいこともないし、必要性もまったく感じられません。
 いったい誰ですか、うちの母におかしな漬け物を伝授した輩は。


 え? あれ、洗ってから食べるの?
 あ、ぬか漬けみたいに。
 そうなんだ。いや、そうかなぁとも思ったんですけどね(笑)。ぎゃふん。

トークショー PART3

「お話の続きを伺いましょう。お豆腐店でアルバイトということでしたが、それだけではなかなかお金も貯まらないと思うんですけれども」
「そうなんですよね。なので、豆腐が夕方までだったんですけど、それから深夜まではゴルフ場でもバイトをしていました」
「朝4時からお仕事なのに、深夜まで働いて大変だったんじゃないですか」
「とてもきつかったですね。でも、半年間で目標金額に達成するよう計画を立ててしまったので、短い間の辛抱だと思ってがんばりました」
「素晴らしいです」
「人間、気力が充実しているときには、あんまり寝なくても大丈夫みたいです」
「経験論ですね。今は?」
「いつも寝すぎだと叱られています」
「現在は気力が充実していないということの証しですね」
「まあ、そうなりますね(笑)。当時は若かったですし」
「老いって恐ろしいですね」
「でもバイト生活はハードでつらかったですけど、あの半年間でいろんなことを学べたと思ってます」
「それはどういった…」
「つくりたての豆腐はやっぱりうまいとか」
「それは関係ないですね」
「すみません。あ、あと、ゴルフも憶えました」
「それも関係ないですね」
「すみません。あ、それと、細川茂樹が大垣出身だってことも学びました」
「それは先程ですよね」
「バレました?」
「呆れてものも言えません」
「すみません」
「・・・・・・・・」
「…あのぉ」
「・・・・・・・・」
「…何か言ってください」
「まだ呆れている最中なので、もう少し黙らせてください。CMです」
「CM行くの早くないですか?」