殉職

kandagawabbc2007-12-29

悲劇

 それは真夜中に突然やってきました。
 悪夢にうなされて目を覚ますと深夜2時。私の身体は尋常な状態ではありませんでした。襲い来る強烈な吐き気と腹痛。うぉぉぉ、これは何だ。
 とりあえずトイレに駆け込み用を足し、再びベッドに戻りましたが、単なる腹痛とは違うのははっきりとわかります。これは明らかに食中毒か胃腸風邪かそういった類の異変。朝までに治まれよと叶わぬだろう希望を祈りつつ、目覚めの時間を待ちました。熟睡なんて出来るはずもないのですが。
 起床時間になり、とりあえず起き上がってみることに。夜中の苦しみに比べたら幾分楽になっています。しかし、寝ていればほとんど感じませんが、立ってしまうとやはり吐き気がやや沸き立ちます。
 それでも、今日は今年の仕事納め。仕事に穴を開けるわけにもいかず、とりあえずフラフラのまま準備をし、地下鉄とタクシーを乗り継いで早々と出社した神田川さんでした。

悪夢

 会社に着いたものの、やはり気分は悪いまま。皆から心配されながらも、スローテンポで仕事をこなしていきましたが、次第に症状は悪化。嘔吐感に耐え切れず、とりあえずソファーでちょっと横になることに。誰にも勧められてませんので、勝手な自己判断ですけど(笑)。
 20分ほどして、そろそろ戻らないといけないなと復帰してはみたのですが、どうにもうまくいかないんですよね。いつもなら難なくこなせている仕事のはずなのに、全く進まない。吐き気と、胃の気持ち悪さのせいで、どれから手をつけていいのかさっぱりわからず、ボーっと立ち尽くすだけ。もうダメだ。ギブアップ。社長の車に乗せられて、病院へ直行です。

報告

 はい、どうも、内科の先生。早く看てください。
「もうおわかりかと思いますけど、ウイルス性の胃腸炎ですね」
 全然おわかりじゃないですから
 ウイルス性って、ノロですか? ねぇ、ノロだったらノロってはっきりおっしゃって。でも、ノロだったらノロウイルスって言うだろうしなぁ。でもでも、「おわかりかと思いますけど」ってのが「今、流行ってますから」って意味合いだったら、ノロだろうしなぁ。胃腸炎ってことは風邪じゃないんですよね?
 微妙だなぁ、この医者。


 というわけで、注射を打ってもらうことに。
 その注射がこれまた特大なんですよ。太くて長いの。それをゆっくりゆっくり注入するわけでしょう。針を刺す時に当然チクっとはしますけど、それからは別に痛くはないですよ。でも、身体に液体が入ってきてるわけですから、いい気持ちはしないじゃないですか。そういうことを考えると気持ち悪くなっちゃう。見たくないので瞳をとじて状態なわけですけど、そうするとナースが「気持ち悪いですか?」って心配して聞くんですよ。いや、吐き気がするからここに来てるけど、随分落ち着きましたし、今の瞳をとじてはそういうニュアンスじゃないですから、おかまいなしに。
 で、3分ほどかけてようやくお注射終了。あとは薬をもらって会社に戻るだけ。


 ところが、注射のせいなのか、またしても気分の悪さが復活。処方箋を持って薬を取りにいかなきゃいけないのに、なんだか何もやる気が起きなくなってしまいました。こんな気分になるのは生まれて初めてです。もう全て消えてなくなれってな勢い(笑)。
 それでも、とりあえず薬を受け取り、タクシーで会社に戻ってきました。

重病

 仕事が出来る状態じゃないのはわかっていますが、それでもすぐに帰るってわかにもいかず、みんなに指示を与えながら、寒いソファーで毛布に包まって横たわり、時を過ごしました。もともと色は白いほうですが、「顔面蒼白だ」とみんなに心配されたので本当に青かったんでしょうね。
 そんな私を見て、トットリくんは「これでもし神田川さんが死んじゃったら、殉職になるんですかねぇ」とポツリ。
 おい、殺すな(笑)。


 そして、数時間後、再び社長の車に乗せられ、帰路に着くのでした。
 最後の最後でこんなことになるなんて、会社にはホント申し訳ないことをしてしまいました。でも、やれるだけのことを前日に済ませておいたので、多少は幸いしましたけど。人生何か起こるかわからないですからね。何事も準備を怠ってはいけないなぁと改めて思いました。
 というわけで、人生初の散々な仕事納めでありました。全然納めてないですけどね。

心配

 さて、明日は「恐れを知らぬ川上音二郎一座」の千秋楽を観るために東京へ赴く予定だったのですが、こんなことになってしまうとは露知らず。
 とりあえず、希望の灯は消さぬよう、今は治療に専念。ポカリと麦茶を飲み続け、トイレとベッドを往復しながら、明日の朝を迎えたいと思います。
 治れ、私!