散々なチキン野郎
チキン
昨夜のフライドチキンを会社で試食。イワシにもひとつあげましょうか。食べる?
「はい、いただきます」
その隣でモグモグとチキンを食べ、「神田川さん、美味しいです。神田川さん、美味しいです」としつこいくらいに賞賛する男、ゴマちゃん。
それを聞いて、イワシが質問。
鰯「これ、神田川さんがつくったんですか?」
神「そうだよ。何だと思ったの」
鰯「買って来たやつだと思いました」
そんなもの振りまいて何が楽しいのさ。
神「美味しい?」
鰯「美味しいです」
ほら見なさい。覚悟してなさいよ、ハンバーグ。
「僕も昨日フライドチキンつくったんですよ」
おや、ゴマちゃん。それは奇遇ですね。で、美味しくできたの?
「ひどかったです」
聞くだけ無駄でしたね。どうやってつくったの?
「小麦粉を水で溶いて…」
それはね、天ぷらをつくるときの手順だから。
「やっぱり違いましたか」
違いますよ。だって、下味は?
「塩コショーです」
だけ? それだけじゃちょっとね。肉に振ったってことでしょ?
「いや、その水で溶いた小麦粉に」
そこに塩コショーしたの(笑)。そりゃ、味ねぇよ。
「で、それに浸け込みました」
小麦粉液に浸け置きしたんですか。聞いたことない料理ですね。何処の国の料理かはわかりませんけど、フライドチキンが出来上がらないことだけは確実視できます。