幸せの赤い消火器

kandagawabbc2008-03-11

引っ越し

 イワシが会社の近所に引っ越してきました。以前も千種に住んでいたので地下鉄で充分通えるはずなのですが、今度は会社から走って1分の距離に。
 引越しを決めたのは、採用が決まったその日だったというので驚きです。まだ一日も働かないうちに引越しまで決めて、何を考えているのかさっぱりわかりません。やめたくなったらどうするつもりなんでしょう。やっぱ普通じゃないな、この漁師。
 大掛かりな引越しはやっと昨日済み、それまでの2週間ほどは、要るものをちょっとずつ自分の車で運んでいる状態で、布団だけは持ってきて寝たりしていたようです。


 で、さすがイワシ、やってくれました。
 鍵をもらって入室したその日に、詐欺に遭ったそうです(笑)。
 換気扇のフィルターセットを「皆さんに買ってもらってます」と言われて見知らぬ業者から買わされたんですって。2年分のセットで買えば安くなると言われて、24枚セットを2万6000円で。絶対に詐欺じゃないですか。買うなよ、そんなもん(笑)。
 でも、おかしいなと疑ったイワシは、マンションの管理会社に連絡して、やはり関連がないと確認し、業者に電話して返品したそうです。お金も全額返ってきたって。
 それはよかったですね。よかったですけど、面白くない(笑)。最初に「詐欺に遭ったんですよ」なんていうもんですから、てっきり泣き寝入りのままかと思ったのに、無事解決したんですね。
 でも、気になって上の階の住人にも「こういう人来ました?」と訪問したところ、「私も買いました」って言ってたそうですよ。どんだけ緩い住人たちだよ(笑)。こりゃ、業者もぼろ儲けだな。

詐欺談義

 そんな話をしていたら、ソフィー婦長が「私も昔…」と口を開きました。なになに?
 もう20年以上前の話だそうですが、業者が消火器を売りに来たそうです。ああ、よくあるパターンですね。しかも、狭いアパートなのに、4本も買えって言ってきたそうで。要りませんよ、そんなにも。
 消火器1本で8000円。合計で3万2000円ですから大金です。しかし、まったく詐欺だとは疑わなかった婦長。
 ただ、ちょうど給料日前でお金が5000円しかなく、「来月、お給料入ってからまた来てください」と言ったら、業者は急に怒り出し、粘った挙句、「あなた不幸になりますよ」という驚愕の捨て台詞を吐いて去ったそうです。
神「で、どうでした? 不幸になりました?」
婦「そんなようなものですかねぇ(笑)
 婦長もいろいろあったんですね(笑)。あの時、あの消火器を買っていたら、もっと幸せに暮らせていたかもしれないのに…。
 なんて、たかが消火器ごときで人の幸せ左右されてたまるもんですかって。


神「イワシ、お前の詐欺の話より、婦長の消火器の話のほうが面白い」
鰯「そうですね」
神「ちょっと悔しいだろう」
鰯「悔しいです」
 悔しさくらい左右されてもかまいませんもんね。